年休付与義務化の認知度

 年次有給休暇(年休)の確実な取得を目的として改正された労働基準法第39条の施行日が迫っています(施行日:2019年4月1日)。

 

 このほど東京商工会議所が中小企業2881社を対象に行った「働き方改革関連法への準備状況に関する調査(2019.1.9)」によると、年次有給休暇の取得義務化について『名称・内容ともに知っている』が75.4%と、その他の改正の中でも最も認知度が高く、関心の高さが窺えます。

「働き方改革関連法への準備状況等に関する調査」集計結果を公表 - 日本商工会議所

 

 しかしそれでも約3割の会社が名前を知っていても内容は知らなかったり、施行時期を知らないとのことで、多くの会社で具体的な対策が立てられているとは言い難いようです。

 

 また、『知らない』率は会社規模が小さくなるにつれて高くなっています。

 

 更には、その対策について『既に必要な対応は終えた』『現在取り組んでいる最中』『対応が決まり、今後取り組む予定』の三つを合わせても50%前後と、多くの企業が具体的な対応はまだまだ先のようです。

 

 

 

 一方で総合旅行プラットフォーム「エアトリ」の調査によると、世間一般の年休義務化の認知度も51.7%と約半分に留まるようで、正直意外な感じも否めません。

有休取得の義務化、すでに7割以上は年間5日以上を取得 | マイナビニュース

 

 中には義務化されることは知っていても、現実的に取れっこないという諦めや、休むことによりむしろ他の日の労働時間が長くなり、結果会社が『ブラック化』されることを憂慮する声もあるようです。

 

 企業としては、これらの声にも真摯に耳を傾けながら、制度設計や運営を考えていく必要がありそうです。

 

 しかし認知度がまだ高いとは言えないからこそ、労働者の中にも憂慮する声があるからこそ、しっかりとした対応をすれば従業員の方の喜びも大きいはずです。

    従業員満足度を高めて他社を一歩リードしましょう。

 

 

 

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