2020年も10日が過ぎました。あと350日ほど頑張りましょう。
さて今年は労働法周辺ではどのような法改正や制度改正が行われるのでしょうか。ゆるりと少しずつ見ていきたいと思います。
Q:昨年より順次施行されている『働き方改革関連法』ですが、今年はどのような法律が施行されるのでしょうか?
Q:数年越しにようやく成立し、大きな話題となった『働き方改革関連法』ですが、その一部は昨年4月より既に施行されています。特に「年次有給休暇の付与義務化」などは大企業、中小企業問わずすでに施行されているため、何らかの対策を立てた企業も多いのではないでしょうか。
今年はさらに目玉ともいえる法律が中小企業にも適用されます。その一つが時間外労働の上限規制です(大企業は昨年4月より既に施行済み)。法改正前までは、一定のガイドラインはあったものの法的には実質的に天井知らずであった時間外労働が、法律により正式に規制がかけられることになります。
今後企業の規模や、法人・個人、社員やアルバイトなどの雇用形態を問わず、時間外労働(残業)の上限は原則として月45時間かつ年360時間以内に規制されます。
36協定の特別条項により「臨時な特別な事情」が認められる場合でも、
①一月100時間(休日労働含む)、かつ
②月平均80時間以内(休日労働含む)、かつ
③年720時間以内、
④さらに45時間を超える月は年の半分まで、
が上限となり、これらに違反した場合には罰則(6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科せられるおそれもあります。
今回の法改正は労務管理に関する専門部署などを置く余裕のない中小企業にとって、会社の内部だけでその内容を理解し対策を立てるには非常に厳しいと思われます。社会保険労務士などの専門家のサポートを受けながら一つ一つ着実に対策を立てることをお勧めします。