タイトル:「学力」の経済学
著者:中室牧子氏
教育に関して我々(特に子どもが学校に通っている世代)は『一億総評論家』状態になりがちです。私も含めてそのほとんどは教育に関して専門的に学んだことが無いにも関わらず、です。
大抵は自身の経験や信条に基づくか、とある教育専門家の受け売りに過ぎません。多くは実際の統計に基づいた発言は出来ていないのです。
本書はそのような中で「常識」とされる教育に関する言説に対して『科学的根拠(統計)』に基づいて疑問を投げかけたり、より明確な解を求めます。
「目の前のにんじん」作戦はダメなのか?
子どもは褒めて育てるべきか?
"勉強"はそんなに大切か?
教員免許は有効か?
上記はいささか極端な問いではありますが、それでもただの経験や信条ではない統計に基づく著者による分析には説得力があります。
教育や子どもの問題を数字(統計)で表すことに抵抗がある人も多いかもしれません。しかし冷静な議論を深めるため、より効果的な教育を進めるためにはどの分野よりも正確な統計が必要とされるのが教育分野なのではないでしょうか。
自身の子育てにも大変参考になる書籍でした。
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