社労士PAKの労務日記

日本のどこかで開業中の社会保険労務士PAKです。お役立ち情報をちょろちょろとお届けします。

労働条件の明示がFAXやメール等による通知も可能に

 昨日もご紹介したように、4月は法改正&制度改正のラッシュですね。

 

 今回ご紹介するのは労働基準法施行規則の改正です。

 

 労働者を雇用するとき、使用者は労働条件を書面で通知しなければならないことは従来から定められていました。

労働基準法第15条労働基準法施行規則第5条

 

 特に以下の項目に関しては、必ず明記しなければならない事項とされています(『絶対的明示事項』と呼ばれます)。

 

『絶対的明示事項』

① 労働契約の期間
② 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準
③ 就業の場所及び従事すべき業務
④ 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇等
⑤ 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
⑥ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

 

 

 さて、今回労働基準法施行規則第5条が改正されることにより、必ず書面で提示しなけらばならなかった労働条件が、一定の条件のもとFAXや電子メール等による通知でも可能となりました(時代の流れを考えるとずいぶん遅い改正のような気もしますが・・・)

 

 具体的には以下のようになっています。

 

① 今後も原則は書面での通知。

② メール等による通知は労働者本人が希望した場合に限られる

③ 具体的な通知方法としては以下のような方法がある

 ・FAX

 ・電子メール(yahooメールやGmailなどのwebメールサービスも可)

 ・LINEやメッセンジャー等のSNSメッセージ機能等

  ※ただし出力して書面を作成できるものに限られる

④ 労働者が管理しているブログや個人のホームページへの書き込みによる明示は不可

 

 上記以外にも厚労省では、到達したか本人に確認すること、なるべくPDFなどの添付ファイルで送信すること、本人に印刷を促すことなどを推奨しています。

 

 なお、労働契約の締結時に明示を怠ったり、労働者が希望していないにもかかわらず、電子メール等のみで明示したりすることは、労働基準関係法令の違反となるのでご注意ください(最高で30万円以下の罰⾦となる場合があります)。

 

 また、労働契約書や労働条件通知書がなかったばかりに、労使間トラブルが余計に大きくなったりする例が多くあります。

 

 「事前にあまり細かいことを決めると、それに縛られるからあえて曖昧にしておきたい」という事業主の方に今も会うことがあります。

 

 しかし労使間トラブルはその逆で、法律に則り細かいことを決めていなかったがために問題が起こり、その問題がより大きくなるのです。

 

 今まで無かったところは、これを機にしっかり整備することをお勧めします。

 

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