【台風関連情報】雇用調整助成金の特例



 台風被害に遭われた方々の一日も早い回復をお祈りします。

 

 さて、甚大な被害をもたらした台風15号と19号の影響から事業活動を縮小せざるを得ない会社も少なくないと思います。

 

 そこでこの度厚生労働省では、台風第15号及び第19号に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主に対して、元来の雇用調整助成金の特例措置を講じるとのことです。

 

 雇用調整助成金の概要は以下の通りです。

 

①経済上の理由により事業活動を縮小せざるを得なくなったが、従業員の雇用を守るため、休業期間中当該従業員らに休業手当(平均賃金の6割以上)を支給する、又は教育訓練や出向を実施した事業主に対し、

②休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額の2/3(大企業は1/3)が助成(上限額有)されます。

 

 

また今回の場合の経済上の理由とは、台風による直接の被害そのものを指すのではなく、


・ 取引先の浸水被害等のため、原材料や商品等の取引ができない
・ 交通手段の途絶により、来客がない、従業員が出勤できない、物品の配送ができない
・ 電気・水道・ガス等の供給停止や通信の途絶により、営業ができない
・ 風評被害により、観光客が減少した
・ 施設、設備等の修理業者の手配や修理部品の調達が困難で、早期の修復が不可能

 

というような理由となります。

 

そして特例による具体的な要件緩和は以下の通りです。

 

1 要件緩和等
(1)生産指標の確認期間を3か月から1か月へ短縮する
 現行、生産指標、販売量、売上高等の事業活動を示す指標の最近3か月間の月平均値が、前年同期に比べ10%以上減少している事業所であることを必要としているが、この指標の期間を最近1か月とする。
(2)台風第15号及び第19号による災害発生時に起業後1年未満の事業主についても助成対象とする(通常は、生産指標を前年同期と比較できる事業主が対象)
 なお、台風第15号及び第19号による災害発生時において起業後1年未満の事業主については前年同期の生産指標と比較が困難であるため、災害発生時直前の指標と比較する。
(3)最近3か月の雇用量が対前年比で増加していても助成対象とする
 現行、雇用保険被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の月平均値が、前年同期と比べ5%以上を超えかつ6名以上(中小企業事業主の場合は10%を超えかつ4名以上)増加していないことを必要としているが、これを撤廃する。

2 遡及適用(計画届の提出時期)
 現行、休業等に係る計画届は事前の提出が必要であるが、台風第15号の災害に伴うものについては令和元年9月9日以降、台風第19号の災害に伴うものについては令和元年10月12日以降に初回の休業等がある計画届に関しては、令和2年1月20日までに提出があれば、休業等の前に届け出られたものとする。

 

詳細はお近くの労働局の助成金相談窓口や社会保険労務士などの専門家にお問い合わせください。

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