新型コロナウィルスの感染拡大を発端とする一連の動きが、社会的に軽いパニック状態へとなってきた感が否めません。
先日インターネットから流れ出した「トイレットペーパーが不足する」というデマ。すぐにデマだという事実が報道もされましたし、家庭紙(ティシュペーパー、トイレットペーパー、タオル用紙、ちり紙)の抄紙機を有するメーカーの団体である『日本家庭紙工業会』も在庫は十分にあると表明しました(日本家庭紙工業会からのお知らせ)。
しかし既に衝動的にデマを信じてしまった人々がトイレットペーパーを求め薬局などで列をなし、更に不安は紙を利用した生活用品全般へと波及。ティッシュペーパー、おむつ、更には生理用ナプキンまでがどんどん売れていきました。
そうなると当然デマと分かっている人たちも、近い将来トイレットペーパーやティッシュが切れたら困るわけですから、無くなる前に買わなければという心理が働くのでしょう。あっという間にお店の棚から無くなってしまった模様です。
※本日寄ってみたスーパーの様子です。ハンドソープや消毒用アルコール類もほとんど残っていませんでした。私が購入したかったキッチンペーパーすら。。。
実際例えば赤ちゃんがいる家庭でオムツが切れてしまっては大変なわけで、その心境はよく理解できます。私だっていざとなれば家族の分は何としても確保しなければと考えることでしょう。
しかし一方で、私はまだ幼少で記憶にはなく写真でしか見たことのない1970年代のオイルショック時と同じような光景を目の当たりにし、何とも言えない気持ちになるのも事実です。
少し立ち止まって考えれば、少しアンテナを張って正確な情報を仕入れようとすれば分かるようなことが、人は一旦冷静さを失うと見えなくなってしまうようです。過去に同じような失敗をしたとしても。
自分や自分の家族はもちろん大切です。自らの身は自ら守らなければならないでしょう。しかしそれでもちょっとだけ立ち止まり、それは本当に正しい情報か、それは本当に必要な行動か、ちょっとだけチェックしてみませんか。
デマが大衆をだまし、それによって困る人がいるだけでなく、次は特定の個人や集団への攻撃へと向かわないと誰が言いきれるでしょうか。
既に「デマを流した人間探し」は行われていると言います。そしてそれもまたデマ。。。
私たちは一体どれだけ成長できたのでしょうか。
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